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憧れの手帳。

こんばんわ、アノマロカリスです。
小さい頃、僕は父の手帳に憧れていました。
聖書サイズくらいの分厚い手帳。
茶色の皮製の手帳で、なかなか高級な一品だったそうです。
長年使っていたにも関わらず、
その手帳のくたびれ感は味となって、
その手帳を上質に彩っていました。
手帳の内側には父のネームが入っていました。
これまた、
「かっこいい・・・」
と、憧れを強くするのです。
父は恐ろしいまでに厳格な人で、
至らない事をしてしまうと鉄拳が飛んできます。
だから父の物に興味を持つことは命がけとなります。
レコードの針を折ってしまった時は、
この世の終わりを味わいました。
しかし、
なぜか手帳だけは触らせてくれました。
僕がよほど憧れの目をしていたのでしょうか?
手帳だけはいくらでも触らせてくれました。
どんどん憧れていきました。
中学生になっても、高校生になっても。
父が他界して来年で10年になります。
それ以降その手帳の行方は分かりません。
僕が狙っていたのを、
母が感づいて隠したのかもしれません。
仕方ないので、
20歳くらいの時に安い手帳を買いました。
しかし使い勝手はいいのですが、
どうしても父の手帳と比べてしまいます。
どうも馴染みません。
で、
それから10年。
現在30歳。
買うことにしました。
で、注文しました。
皮製の上質な手帳を。
ちゃんとネーム入りで。
ただの物真似と母になじられそうですが、
憧れに負けました・・・。
来年の頭から使おうと思っています。
あの憧れの手帳は、
それ自体の魅力が凄かったのか、
父が持っていたから魅力的に見えたのか、分かりません。
僕は両方だと信じています。
来年は、
自分の現在の人間力が量れるれる年になりそうです。

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