
実印の落とし穴!100円ショップのハンコは大丈夫?
社長です。
ある日の夕方、閉店後の静かな店内に電話が鳴りました。電話の向こうは、少し慌てた様子のお客様。
「すみません、実印っていくらぐらいしますか?」
実印の値段は材質によって異なります。そこで、私は基本的な種類を説明しました。
・ラクト;(樹脂):比較的安価で手軽
・柘植(つげ):硬い木で丈夫
・黒水牛・オランダ水牛;(牛の角):耐久性があり高級感あり
・象牙;(ゾウの牙):高価で長持ち
さらに、一般的に男性は15mm、女性は13.5mmのサイズを選ぶことや、フルネームで作るのが普通だけれど、女性は姓が変わる可能性があるため下の名前だけで作る人が多いこともお伝えしました。
すると、お客様から驚くべき一言が…。
「実は100円ショップで買ったハンコを実印登録したんです。でも、同じものが大量に作られてるって聞いて、不安になって…」
確かに、100円ショップのハンコは機械で大量生産されるため、同じ印鑑が世の中にいくつも存在する可能性があります。実印は個人を証明する大事な印鑑です。
それが他人と同じだったら…と考えると、契約書や重要な書類でトラブルになる危険性は大きいですよね。
実印は指紋のように唯一無二であることが理想。そのため、多くの専門店では「印相体」「隷書体」といった、読みにくく偽造されにくい書体で作ります。さらに、同じ書体でも一人ひとり微妙に違うデザインになるように調整します。
「じゃあ、今の100円ハンコはもうダメですか?」
実は、役所で改印届けを出せば、新しい実印を登録することができます。お客様もホッとした様子でした。
予算を抑えたいとのことだったので、ラクト製・下の名前のみ・13.5mm・印相体で作ることを提案。後日、改めて来店してくださることになりました。
実印は学校では習わないため、知らない人が多いもの。でも、知らないまま適当に作ると、思わぬトラブルに巻き込まれることも…。当店では、実印作りのご相談も受け付けていますので、お気軽にどうぞ!
急ぎのご注文も、できる限り対応いたします!