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直線美 その2

こんにちは、アノマロカリスです。
前回アップしたニチバンさんの大ヒット商品、
テープカッター「直線美」の開発から完成までをご紹介します。
前回もご紹介した通り、
従来のテープの切り口をギザギザから真っ直ぐに改良したことで、
ヒットが実現した「直線美」。

テープ切り口比較↑
しかしこの真っ直ぐな切り口を、
テープカッターで実現するには様々な問題があったのです。
<刃の改良に着手>
最初に開発チームが取り組んだのは、
当然のごとく刃の改良。
従来品のように突き刺して切るのではなく、
刃に沿わせて切るというもの。
ただテープカッターの刃が真っ直ぐでは、
刃の上でテープが滑り、
まったく切ることができないそうなのです。
30年前もこの点を上手く改良できず、
商品化に至らなかったそうです。
<新刃開発へ>
そして、刃には最新の工夫が施されました。
テープが滑らないのです。
それが新たに開発された凹凸の少ない刃です。
その刃は、
目で見える凹凸の溝と、
その上に存在している超極小のバリと呼ばれる金属の加工が特徴。
このバリはミクロレベルの技術に達するほどの技術だそうです。
そのバリがテープの横滑りを抑え、
凹凸の溝がテープを切るきっかけを作り出しているとのこと。
あまりにも驚異的な技術です。
<強靭な耐久性>
刃の耐久テストは実際に人間の手で繰り返し行われたそうです。
社内の人たちが自らの手でテープを5万回カット。
気の遠くなるようなテストの結果、
5万回カットしても刃は磨耗せず、
変わらない切れ味を確認しました。
<完成>
こうして完成した新設計の刃により、
セロテープやメンディングテープの切り口は、
まっすぐ、すっきりと綺麗に仕上がるようになりました。
しかも、
テープを切る際に必要な力が軽減され、
女性や年配の方でも使いやすくなっています。
さらに、
刃にギザギザがなくなることで、
指などを傷付けにくくなったほか、
テ-プが縦裂けせずはがしやすくなり、
テープ切断面にゴミが付着しにくくなる効果も生まれました。
<デザインへのごだわり>
「直線美」はデザイン面もこだわりました。
小さくスリム底面積と、
シャープでスッキリしたボディが、
直線切りをはっきりとイメージさせています。

そしてテープカッターに欠かせないのがおもり。
低価格のセンメントではなく、
「直線美」は金属製のおもりを採用。
これによって、
1.1㌔(従来品)から1.4㌔にアップさせ、
よりテープカットをしやすくなっています。
<「直線美」の今後>
開発に約3年の歳月を要し、
完成されたテープカッター「直線美」。
残念ながらセロテープ発売60周年にあたる、
2008年の発売には間に合いませんでしたが、
発売直後から好調な売れ行きを続け、
今では生産が追いつかない状況になっているほどの人気。
これほどの商品が廃れていくとは到底思えません。
ニチバンさんの高い技術と努力の結晶、
テープカッター「直線美」を、
どうぞよろしくお願いします!
(旬間ステーショナリー 第1645号参照)

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