ボールペンの替芯はミクロの世界

社長です。
先月、お客様から、新しく買った油性ボールペンの替え芯が、
かすれるとのお電話をいただきました。
このお客様の場合、かすれる原因は、電話ではよく分かりませんので、
無条件にお取替えする事にしました。
ご迷惑をおかけしましたので、
新品の替え芯と粗品のボールペンを
ご自宅まで、お持ちし、お詫びを申し上げてきました。
そしたら1ヵ月後、また、かすれるとのお電話。
ん～、新品と買えたのに、かすれるとは・・・。
今度は、交換しなくてもよいとのことでしたが、
こちらとしては、とても気になります。
メーカーは、三菱ボールペン。
ちゃんとした日本のメーカーですので、
品質的には問鯛がありません。
このお客様に、ご使用方法を色々と電話で聞いてみました。
この辺が、とても気を使うところで、
お客様の使い方が悪いとは、絶対に言えませんし、
言い方次第では、機嫌を損ねる恐れもあります。
とても気を使いながら、状況を聞き、説明いたしました。
使用している紙質を聞いてみたら、どうやら雑誌の紙のようです。
雑誌のカラーの印刷してあるページは「コート紙」と言って、
若干、光沢があります。テカテカ光っています。
紙の表面に特殊な塗料がぬってありますので、
それが、ボールペンの先のボールにくっついて、
ボールがうまく回らないと言う原因が考えられます。
また、黒一色で印刷してあるページは、ザラ紙で、
再生紙で紙質は悪く、非常に紙の繊維が荒いので、
紙の粉が出てきます。
これも、同じように、紙粉（しふん）がペン先のボールに
くっついて、うまく回らなくかすれてしまう恐れがあります。
いずれにしろ、ボールペンにとっては過酷な条件です。
ボールペンのペン先についているとても小さいボールは、
落としたりして、ちょっとでも変形するときれいに回転しないで
かすれてしまいます。
ボールペンの回転速度はナント、
新幹線の速さと同じくらいのスピードで回転しています。
このボールが回転する摩擦熱で、固まっていたインクが解け、
液体となって、ボールにつき、紙に転写されるのです。
ミクロの世界では、こんな事がおこっているのです。
今回の場合は、ボールペンと、紙の相性が悪かったのでしょう。
お客様には、ジエットストリーム（最新のボールペンで、インクの粘度が低く、とてもなめらか）を
粗品で差し上げていましたので、そちらをお使いいただくように申し上げました。
今回の交換のボールペンの替え芯、1本、80円、3本で240円。
粗品が150円。
採算は全然合いませんが、お客様にはとてもご迷惑をおかけしました事を
お詫びいたしました。
半分、愚痴みたいなブログになってしまいましたが、
読んでいただきましてありがとうございました。